年賀はがき インクジェットと写真用の違い
そろそろ年賀状を準備する季節になりましたね。
「とりあえずは、郵便局で年賀はがき、買わなきゃ!」と思っている方も多いでしょう。
最近は、自宅のプリンターで年賀状印刷をする方が殆どなので、
原稿がまだ用意できていなくても、とりあえず無地の年賀はがきだけでも買っておけば少しは年賀状準備が前進した感じがして、安心しますしね。
でも、この郵便局の無地タイプ年賀はがき、窓口で買う時に「どれにしますか。」、「普通紙・インクジェット・写真用」とありますけど…。
と訊かれて、
「どれ、とは…?」「インクジェット?写真用…?」と戸惑った事がある方、
結構いるのではないでしょうか?
一応、購入の際には、窓口で簡単に違いを説明はしてくれますが、従来からある普通紙の年賀はがきは、どんなものか分かっていても、インクジェットと写真用にどんな違いがあるのかとか、細かい違いまでは分からず、適当に買ってしまった!という方も居るでしょう。
適当でも、無地タイプでさえあれば、とりあえず印刷は出来ますしね…^^;
しかし、インクジェットと写真用の年賀はがきには色々と、無視できない特色や違いがあるんです。
たとえば、値段とか、仕上りとか、印刷設定とか、そんな違いです。
というわけで、今回は、イマイチ違いがよくわからないインクジェットと写真用の年賀はがきについて、違いや特徴をご紹介します。
「年賀はがきの違い分からない!どれを買えばいいの?」と毎年戸惑っていた方、ぜひ、参考にしてみてくださいね!
年賀はがきの種類について
郵便局の年賀はがきには…
普通紙、インクジェット紙、インクジェット写真用、の3種類があります。
冒頭で、インクジェットと書いたのは、正式には「インクジェット紙」写真用と書いたのは、正式には「インクジェット写真用」という種類になります。
普通紙は、従来から使われてきた、スタンダードな年賀はがき用紙で、一般の官製はがきと同じ紙質で、手書きの文字やイラストが描きやすいのが特徴。
1枚52円です。
なお、インクジェット系の年賀はがきについて、ひとつ注意があります。
この日本郵便発行のインクジェット紙とインクジェット写真用の年賀はがきは、「染料インク」のインクジェットプリンター用となっています。
インクジェットプリンターには、染料インク式の他に、顔料インク式があり、染料インク式の場合は問題無くこれらの年賀はがきが使えますが、顔料インク式の場合は、機種によって印刷設定の用紙設定を変えれば印刷出来るもの、またインクジェット紙や写真用よりも普通紙の方が綺麗に印刷できるもの等があります。
年賀はがきを購入する前に、ぜひ一度、ご自宅のプリンターのインクの種類や、はがき印刷の設定について、確認してみることをおすすめします。
年賀はがきのインクジェット紙とインクジェット写真用の違い
ここで書くのは、基本的に染料インク式のインクジェットプリンターで印刷することを前提にしています。
1.値段の違い
どちらの年賀はがきも無地なのですが、値段に違いがあります。
インクジェット紙は、普通紙と同じく1枚63円、
インクジェット写真用は1枚73円、となっています。
余談ですが…
2017年6月1日から郵便ハガキが52円から62円に値上げ、さらに2019年には63円に値上げされています。
2.用紙の特徴の違い
光沢は無く、コーティングがあることで、筆記具によっては手書きの文字を書くのが難しい場合がありますが、筆ペンやサインペンなど柔らかい筆記具でなら問題無く書けるので、印刷した余白に手書きのメッセージを入れたい場合は、そういったものを使うと良いでしょう。
通信面の加工により厚みがあるのも特徴で、このおかげで写真がきれいに印刷できるのですが、プリンターによっては紙詰まりが起きやすい場合もあるので、注意が必要です。
光沢があるため、手書きの文字などは書きづらいです。
3.印刷用紙設定の違い
インクジェットプリンターで印刷をする際には、どんな用紙を使うのか、プリンタードライバーで用紙設定をしますよね。
インクジェット紙とインクジェット写真用も、通信面の加工や紙質が違うのでプリンターのメーカーにもよりますが、設定を変える必要があります。
ちなみに、宛名面はどれも加工されておらず、普通紙と同じ紙質なので、またインクジェット紙、インクジェット写真用、ともに基本的には「普通紙」でOKです。
例として、インクジェットプリンターで代表的な、エプソンと、キヤノンでの設定の違いを説明してきますね。
インクジェット写真用の場合は、用紙設定を「郵便光沢ハガキ」に設定します。
それが無い場合は「EPSON光沢紙」または「フォトプリント紙」に設定しましょう。
これも無い場合は「スーパーファイン専用紙」「スーパーファイン専用紙2」
「官製ハガキ(インクジェット紙)」「光沢紙(フォトプリント紙)」
「フォト・クオリティ・カード2」などを選択してください。
宛名面は、「普通紙」もしくは、「ハガキ宛名面」を選択すればOKです。
インクジェット写真用なら、用紙設定を「インクジェット写真用はがき(通信面)」に
設定してください。
ただし、機種によっては、上記の用紙の種類が選べない場合があります。
その際は、インクジェット紙でもインクジェット写真用でも、用紙の設定を「インクジェットはがき」もしくは「インクジェット官製葉書」に設定してください。
それもない場合は、「プロフォトペーパー」を選択すると良いでしょう。
宛名面は、どちらの用紙でも「すべてのはがき(あて名面)」でOKですし、細かく選択できる機種の場合は、「インクジェットはがき(あて名面)」か「インクジェット写真用はがき(あて名面)」を選んでも良いですよ。
4.印刷の仕上りの違い
表面の光沢はありませんが、きれいな仕上がりです。
インクジェット紙に写真を印刷した場合も、普通紙に印刷した場合と比べれば、色鮮やかできれいに印刷できます。
ただし、イラストと違って写真の場合は、写真ならではの細部の表現が光沢が無い分、インクジェット紙では少しぼやけた仕上りになりがちです。
ただし、発色などはインクジェット紙とは然程、差が無い感じです。
インクジェット写真用に写真を印刷した場合は、インクジェット紙に印刷した場合と比べて、印刷の際のインクの乗りが良く、滲みもなく細部までしっかり印刷され、光沢のおかげで奥行きも表現され、まさに、写真屋さんに頼んだフォト年賀状というか、現像した写真を年賀状にした…という感じのクオリティの高い仕上りになります。
結局どっちの年賀はがきを使えばいいの?
年賀はがきの、インクジェット紙と、インクジェット写真用の違いについて、色々書いてきましたが、色々書いたせいで、「では結局、どれを買ったらいいの?」と混乱してしまった方もいるかもしれませんね。
これは、結論からいうと、好みや目的によって、好きなタイプを選ぶと良いと思います。
たとえば…
写真をきれいに鮮やかに、ハイクオリティーに印刷したいなら、インクジェット写真用。
繊細で緻密なイラストをきれいに印刷したい場合も、インクジェット写真用。
発色は綺麗な方がいいが、写真並みの高品質は求めないなら、インクジェット紙。
線の少ないポップなイラストを綺麗な色で印刷できればOKなら、インクジェット紙。
こんな感じで、印刷する原稿の種類やデザイン、自分の求めるクオリティで、合ったものを選んでください。
あと、先にも書きましたが、インクジェット紙とインクジェット写真用では、年賀はがきの値段が1枚につき10円違うんですよね。
ですので、その差額を払ってでも、高クオリティで印刷したいか、そうでもないか、というのも考慮して、決めると良いですよ。
たった10円の差でも、枚数が沢山あると結構な差額になりますからね。
以上、郵便局で売られている年賀はがきの、インクジェット紙、インクジェット写真用の違いについて、まとめてみました。
この違いを、ざっくりとでも頭に入れておけば、今まで、「なんだかよくわからなくて適当に買っちゃってた~」とか「どれにするか訊かれても、よくわからなくて、いつも困ってた」なんて方も、次からは迷わず、また窓口で焦らず、自分の年賀状原稿にぴったりな年賀はがきが選べますよ!
皆様が、素敵な年賀状、また納得のいくクオリティの年賀状を印刷するために、ここに書いたことが、少しでもお役にたてば、とても嬉しいです。